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FC淡路島が分裂状態。「FC.AWJ」「株式会社FC淡路島」がそれぞれ状況説明

写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

今季関西1部へ昇格。複雑な状況…法廷での争いも。

 今季関西1部リーグに昇格した「FC淡路島」だが、事実上、分裂状態になっている。現在「株式会社FC淡路島」はあるのだが、この関西リーグの「FC.AWJ(FC淡路島)」を運営しているわけではない――という複雑な状況にある。

 関西1部リーグの開幕を控える「FC.AWJ」は3月3日、公式サイトで「当クラブ元所属選手の契約満了経緯に関するSNS上の情報についてのお詫びとご説明」と題してプレスリリースを発表した。クラブは「2018年の発足から現在に至るまで、同じ代表者のもとで運営し、JFA登録番号も変わらず、2022シーズンも活動を続けてまいります」と報告。また2021年12月、淡路島外の第三者への譲渡話が持ち出されたが、「これまでと同様、地元淡路島の皆様とともに、淡路島に根差した活動をすべく、従前と代表者を変えることなく運営を継続していくことになりました」と、関西2部から1部への昇格の際に一つの決断を下したと伝えている。

 昨季まで所属していた選手がSNSで契約更新の話がないまま退団が決まったという主張に対して、クラブは契約更新に関する回答期限を設けたが返事をもらえなかったと説明している。

 一方、「株式会社 FC淡路島」の株式90パーセントを保有するオーナーが3月5日、こうした事態を受けてサイトで事情を整理してまとめている。同氏は淡路島から島・県リーグ、関西2部、1部、JFL、そしてJ3へ――毎年ステップアップしていく「淡路島から7年でJリーグへ」を掲げ、それが途絶えた時点で「負けたら撤退」というプランのもとスタート。2018年、休眠していたクラブの名称を「FC淡路島」に変更し、登録申請を行った。

「FC淡路島」は同志とともに、2018年淡路島リーグ、19年兵庫県2部、20年同1部で優勝、そして昨季関西2部2位に入り、今年の1部昇格を果たした。

 ところが同オーナーが運営会社の株式を保有しているものの、クラブの所有権利者の名前は以前のままだったということが判明したという。

 そのため今回の件で、クラブから同オーナーはあくまでもスポンサーという立場だと主張されたという。そして現在、分裂した形の「FC.AWJ」の運営には一切携わっていない。

「株式会社FC淡路島という箱があって、チームがないという何ともよく分からないことが起きています。当然、納得はしていませんのでこれから裁判してクラブの所有権を取り返しに行きます。裁判ですと1年はかかります。場合によってはそれ以上かかるでしょう」と、同オーナーは主張している。

 また、「株式会社FC淡路島」は2022年からEASY明石と共同運営、来年から合併することが決定。そして同株式の譲渡先も今月末に発表されるということだ。

 とはいえ、状況的には「FC淡路島」が分裂状態にあると言える。株式譲渡で解決するのか、現状「FC.AWJ」の運営団体が不明など問題も複雑だ。果たして、実際に法廷で争われるのか。あるいは、それぞれが歩み寄り、解決策を見出すことはできないのだろうか。何より一番困惑しているのはチームを支えてきたファン、そして選手と言えそうだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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