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【Jの輪】愛媛FC河原和寿を突き動かす千葉和彦の「姿勢」と梅崎司の「情熱」
河原和寿(愛媛FC/FW)
ウメちゃんは僕がプロになって出会ってきたなかでも1、2位を争う強い意志を持った選手
日光東照宮のパワースポットの効果を実証したチバちゃんの「賽銭事件」。
チバちゃん(千葉和彦/広島)はムードメーカーという言葉がピッタリ当てはまる。ただ、あのキャラだからこそ、スイッチの切り替えをすごく意識していると感じました。この間会った時も刺激を受けました。
新潟で一緒だった2010年、僕は試合に出られない日々を過ごし、チバちゃんはポジションを掴み、彼のサッカーに対する強い姿勢を感じました。近くで見ていて、それは表情にも出ていた。
今、僕はベテランの域に達し(今年1月で31歳)、チームの後輩やアカデミーの選手に「姿勢」を示さなければいけないと思っています。チバちゃんを真似るように……かな。
そんな前向きなチバちゃんらしいエピソードがあります。僕が2010年途中に栃木へ移籍したあと、チバちゃんが連休を利用して新潟から会いに来てくれたんです。そこで日光東照宮を案内し、徳川家康を祀るお墓のそばに、パワースポットになっている樹齢600年と言われる御神木と賽銭箱が置いてありました。
するとそこにお金を投じたチバちゃんは、何を思ったのか賽銭箱に向かい『お金持ちになりたい!』って大声で叫び、手を合わせてお祈りしたんです(笑)。近くにいた観光客はみんな驚いていたし、自分も大爆笑。その時、チバちゃんはちょうど新潟でポジションを掴もうとしていたときです。そこから新潟の不動のセンターバックになり、日本代表に選ばれ、広島でJリーグの頂点に立ち、本当にお金持ちになっていった。あそこは本当にパワースポットだったんだと思います(笑)。
さて、では次につなぐのは梅崎司選手(湘南)でお願いします。
クラブチームでは被っていませんが、ユース日本代表で一緒にプレーしていました。それからプライベートで連絡を取り合うようになり、毎年オフに会っています。(2007年カナダ開催の)U-20ワールドカップに向けたチームが発足した18歳からずっと一緒。僕らは「調子乗り世代」の早生まれ組として、ホテルなどでもずっと同じ部屋で一緒に過ごしていました。
最近は住んでいるところが離れているけど年に一度は会って、熱い話をしています。僕は今なおウメちゃんから刺激をもらってばかり。ギブアンドテイクって言いますけど、正直、僕から彼への「ギブ」はあまりできていない。
それくらいサッカーに対する情熱が溢れていて、僕がプロになって出会ってきたなかでも1、2位を争うくらい強い意志を持った選手。海外に行ったり、J1でもいろんなチームでチャレンジしてタイトルを獲っている。
昨年のオフに会ったとき、ワールドカップに行くことを諦めていない、その可能性を少しでも膨らませることを含めて、湘南に行くんだと言っていました。まだまだ強い向上心を持ってやっている。その話を聞いたとき、とても驚いたし改めて触発されました。
ウメちゃんが昨年12月に出版した本(「15歳 サッカーで生きると誓った日」/東邦出版)に、彼の芯の強さや優しさが、どこから来ているのか分かります。ぜひ読んでみてください!
取材・文:松本隆志
text by Takashi MATSUMOTO
イラスト
PROFILE 茉莉香 MARIKA
イラストレーター・デザイナー。
プロフィール
※2018年9月7日現在時点の情報
かわはら・かずひさ/1987年1月29日生まれ、埼玉県行田市出身。173センチ・67キロ。行田泉SSSー行田西SSSー行田西中ー大宮東高ーアルビレックス新潟ー栃木SCーアルビレックス新潟ー大分トリニーター栃木SCー愛媛FC。今季21試合1得点、J1通算41試合2得点、J2通算312試合60得点。2007年カナダU-20ワールドカップ出場。
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