×

Jリーガーが友達を紹介!

【Jの輪】復活近づくFC東京GK林彰洋から琉球の阿部拓馬へ「進路、その選択してきた道がとても面白い」

林彰洋(FC東京/GK)

「いろいろ思考を巡らせて、あのスタイルに辿り着いたと思う。ドイツにも行きゴールを決めるなんて簡単ではない、日本人の中でも、とても特殊な選手」

早坂良太さんから影響を受けた「独特かつ独創的な考え方」。

 Jリーガーが友達を紹介するリレー連載企画「Jの輪」、FC東京の林彰洋が登場。大ケガからの復活を目指すTOKYOの守護神からつなげる友人は――同い年であり、FC東京でチームメイトだったFC琉球の阿部拓馬だ! 紹介を受けた早坂良太氏、そして“琉球のベンゼマ”阿部、それぞれの魅力やエピソードを語ってくれた。

――◇――◆――◇――◆――

(紹介を受けた早坂良太さんについて)
 鳥栖に加入した時、めちゃくちゃ走れて、献身性のあるチームだと第一印象で感じました。加えて、クレバーだな、とてもスマートな動きをするなと感じる選手が何人もいました。なかでも、思考的なところ、アイデアの部分で、誰にもない意外な感覚を持っていたのが彼でした。

 人とは違った視点を持ち、思考を巡らせていました。その意味では、サッカー選手っぽくないインテリ感がありました。

 サッカーは上手いし、要求すればできてしまう選手。体の使い方も本当に巧みでした。そんなにめっちゃ走る感じではなかったけれど、「質でしょ」というタイプでした。

 独特かつ独創的な考え方を持っていました。その独創的なアイデアを僕は吸収したいと思いました。それはサッカー面のみならず、「あ、そんな考え方があるんだ」「そんな冷静でいられるんだ」という目線を常に、彼は持っていました。

 そういうところを見習っていました。人に埋もれるようではプロではないと僕も思っていたので、何をしたら自分が「これが林彰洋だ」と言えるのか。より模索するようになりました。

(昨季)引退をするという話を聞いた時、「もう少しやれるんじゃない?」と話しましたが、サッカーを終えた後に彼が巡らせている考えも面白いだろうなと思いました。どの道に進んでも、面白いだろうな、いい方向に行くだろうなと客観的に感じました。サッカー以外の道に進んでも、サッカーがきっと好きだから、いずれはサッカーに関わるのかなと思っています。

(林選手の友人をご紹介ください!)
同い年でいきましょう。では阿部拓馬をお願いします。

 なぜかと言いますと、進路、その選択してきた道がとても面白い。

 僕の地元の近くにいて、その存在はよく耳にしていました。

 そして法政大学からヴェルディに進むと、そこからドイツのクラブ(当時ブンデスリーガ2部のVfRアーレン)に移籍しました。僕も海外志向があったので、その当時の決断には触発されました。

 同い年でありながらなかなか関わりがなかったけれど、海外志向の強かった僕ら二人がFC東京でチームメイトになりました。そこで話をして、サッカーに対する考え方も面白かった。だから、ぜひ皆さんに紹介したいです。

(林選手が阿部選手から触発された点は?)
 ヴェルディで活躍した時はけっこう点を決めていたので(J2リーグ:2011年16得点、2012年18得点)、次のステップアップは、J1のチームが「妥当」だったと思います。

 ただ、みんなが思っている「妥当」と、彼が思っている「妥当」は異なっていた。

 あのタイミングで、「海外に行っちゃうの!」と思った人は少なからずいたはずです。彼の中ではいち早く海外に行く選択肢が、優先順位で高かったと思います。

 サッカー界では「常識」が定かでないところもありますが、一般的なレールに乗るような感じではなかったので、それは僕も近いものがあると感じました。

 決して背丈のある選手ではないけれど、随所で良さを出せる。

 すごくサッカーが好きだなと伝わってくる選手です。一緒にいると、彼の良さ、考え方、いいところを吸収したいと特に感じました。

(普段の阿部選手は?)
 日本人のキチキチしている感じとは、ちょっと違うのかな? と。だから、今、沖縄に住んでいるのは、きっと合っていますね。

(琉球のFWとしてハマりました)
 結果も残していますね。彼も様々なケガを経験してきたけれど、決して足が速いわけでも、背丈があるわけでもないけれど、動き出しと相手との駆け引きで、常に勝ち続けてきた。これはなかなかできる業ではありません。

 いろいろ思考を巡らせて、あのスタイルに辿り着いたと思います。ドイツのリーグにも行きゴールを決めるなんて簡単ではありませんし、日本人の中でも、とても特殊な選手だと思います。

(阿部選手に伝えることはありますか)
沖縄に永住するの?

【関連記事】
【Jの輪】不撓不屈のFC東京GK林彰洋が登場!大ケガの手術からちょうど1年、前向きにリハビリに取り組む

【Jの輪】早坂良太、林彰洋に伝える熱い思い「いいヤツです、活舌が悪いですが」

【Jの輪】栗原勇蔵引退に仙台MF兵藤慎剛は「自分も考えさせられた」。つなぐのは札幌時代のあの同級生!

[取材・文:塚越始]

◎イラスト
PROFILE 茉莉香 MARIKA イラストレーター・デザイナー。インスタグラムのアカウントは marika22_10。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。主にサッカー・フットサル選手のイラストや、スポーツウェアのデザインを制作。また日本のサッカーファンを代表して、FIFA Global Fan Movement メンバーとして活動中。

プロフィール

※2021年12月2日時点の情報

はやし・あきひろ/1987年5月7日生まれ、東京都出身、34歳。195センチ、91キロ。柏レイソル青梅ジュニアユース ― 流通経済大柏高校 ― 流通経済大学 ― プリマス・アーガイルFC(イングランド) ― シャルルロワSC(ベルギー) ― 清水エスパルス ― サガン鳥栖 ― 清水 ― 鳥栖。J1リーグ通算259試合出場。2007年 U-20ワールドカップ出場。日本代表にも選出される。

林彰洋選手の情報をチェック

Ads

Ads

×