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Jリーガーが友達を紹介!

【Jの輪】汰木康也の『世界』を広げた柏木陽介「それこそプレースタイルが変わった」

汰木康也(ヴィッセル神戸/FW)

「ゴールへ向かう、より怖いプレーを選択できているのは陽介くんがその『武器』を見出してくれたから」

つなぐ相手は小学4年生からのライバル、「悔しくて…泣いて練習した」。

 Jリーガーが友人を紹介していく連載企画「Jの輪」は、“あの選手”の移籍が決まったことを受けて再び再開します。再開1回目、FC岐阜の柏木陽介選手からパスを受けたヴィッセル神戸の汰木康也選手が登場! つなぐ相手は小学生時代からのライバルであり親友でもある、今も第一線で共にJ1で戦う”あの”ファイターだ。

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 (浦和レッズでチームメイトだった柏木選手について)試合中は視線をチラチラさせながら一瞬で合わせてくる独特の感覚があります。動き出した瞬間を見てくれていて、そこへボールが出てくる。常に目が合う、常に顔を上げている選手は、僕の知る中では陽介くんぐらいです。また、止める・蹴るの技術はズバ抜けていて、浦和レッズに移籍した時に驚くほどの差を感じました。

(浦和時代に得たところは?)自分がこれまで出せていなかった力を引き出してもらったと思っています。動き出し、バイタルエリアでボールを受けるところ、オフ・ザ・ボールからの突破……新たな力を知るきっかけを陽介くんが与えてくれました。

 それこそ自分のプレースタイルが変わりました。以前はボールを持ってからアクションを起こすタイプでしたが、動き出しの精度を高めて、裏を取るタイプへと、プレースタイルの幅を広げてくれました。ゴールへ向かう、より怖いプレーを選択できているのは陽介くんがその「武器」を見出してくれたからです。

 印象に残っているのが、浦和でデビューした2019年3月、埼スタでのブリーラム・ユナイテッド戦です(84分から途中出場し、橋岡大樹のゴールをアシスト)。まず僕にボールを触らせようと、たくさんパスを出してくれました。

 あのパスがあるから、ドリブルが生きるはずだとキャンプから手応えは得ていました。それが確信に変わったのが、あの試合でした。もう一つ上のステージへ行けました。

(出会いは自主トレーニングだったそうだが?)モンテディオ山形でプレーしていた時、お世話になったヒロさん(高崎寛之)に誘っていただき参加させてもらいました。

(柏木選手から「現状に満足するな。日本で有数の選手になれる!」とメッセージがありました)多分、もっとゴールを決めてほしいということだと思います。そういう姿を見せたいですね!

(では、つなぐ相手を!)誰にしようかな。うーん、(小泉)慶にします。 慶とは横浜F・マリノスプライマリーとジュニアユースまで一緒でした。出会いは小学4 年生の時で、めちゃくちゃ上手くて衝撃を受けた記憶があります。

 当時は2トップを組んでいて一番意識していたライバルでもありました。僕が出られなかった試合で慶がゴールを決めたら、悔しくてベンチで隠れて泣いていました。だから負けたくないって、ピッチの端でシュート練習をしていましたね。多分、僕のことは眼中になかったと思います(笑)。

(Jリーグで対戦した思い出は?)慶が鹿島アントラーズ時代に右サイドバックに入り、僕は左サイドでプレーして、バチバチのマッチアップとなりました。特徴を知られているので、一番マッチアップしたくない相手ですね。しかもピッチに立つと構わずバチバチ削ってくるので、ちょっとね、頭おかしい(笑)。

  そんな慶はみんなに愛されるキャラクターで、先輩からも後輩からも慕われていました。SNSを見ても後輩たちとご飯やキャンプに行っていて、そのあたりは昔から変わっていないですね。

(小泉選手に伝えたいことは?)家族がいるので仕方ないのは分かっていますが、もう少し時間を作って欲しいですね(笑)。会いたいです。「同じチームで一緒にプレーしたい」という話はしています。

 そうそう、ユニフォーム交換を断られましたから。神戸と鳥栖が対戦した時、シーズンダブルを喫して悔しかったと思うんですが、はぐらかされて交換してくれなかったんです。その理由を聞きたいですね(笑)。

プロフィール

ゆるき・こうや/1995年7月3日生まれ、神奈川県出身、28歳。183センチ・70キロ。原FC ― 横浜F・マリノスプライマリー ― 横浜F・マリノスJrユース ― 横浜F・マリノスユース ― モンテディオ山形 ― 浦和レッズ ― ヴィッセル神戸。今季J1リーグ今季24試合・3得点、通算J1リーグ126試合・13得点。J2リーグ91試合・6得点、J3リーグ18試合・1得点。

Posted by 石田 達也

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